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“悲劇のヒロイン”は切ない…
04.12.12 Updated
20代の初め、人生最初で最大の大恋愛・大失恋をしたとき…。
それまでもそれからも恋はしたし、両想いにもなれた、別れも味わいましたが、この時の恋愛は我ながら凄かったのです。そして、失恋してかれこれ2年間は打ちひしがれ状態で、横も前も見ずにひたすら後ろ(過去)ばかり見つめていました。
失恋しても彼を忘れられない私は、彼の家の前まで行って(ストーカーにはこそならなかったけれど…)、部屋に灯りがついていても暗くても胸がキュッと締めつけられて、今来た道を1人でトボトボ帰るわけです。彼が来そうな場所(オフィシャルで)にも何気なさを装って出没したし、実際に偶然出会えたときは、心が焦がれました。
屈託なく「元気だった?」と私に笑いかける彼の眼差しが心に痛い…。でも、嬉しさがはみでて、必要以上に明るく彼に笑い返す自分が後で空しい…という、何か袋小路状態の気持ちをずっとひきずっていたある日、友だちとご飯を食べているとき、言われたのです。
「悲劇のヒロインになっているんじゃないの?」
「もう、○○さん(失恋の相手)の亡霊に迷わされるのやめなよ」
ずっと、カラ元気とその後に訪れる“ぬけがら”的な状態の私を見続けた友だちのシビアな一言が、胸に突き刺さりました。
「悲劇のヒロインなんてひどい。本当に悲しいのに…」
私の必死の思いを、どうしてそんな言葉で片付けるの? とその時は辛く思ったものです。
…でも、時が流れ過ぎて、まあ元気を回復したとき(まだ、完全に彼を忘れられたわけではないけれど。…今でも、懐かしく思い出すときもあります)、思ったことは、少なかれ彼女の意見が「ひどい」ものではなかった、ということ。当たらずも遠からじ、といったところでしょうか。
悲劇のヒロインになっていたつもりはありませんが、でも、失恋という出来事に甘んじていたことは確かです。失恋という環境から抜け出す努力もしなかったし、そのときのひどい状況を何とか改善していこうという意志もありませんでした。
失恋は辛い、悲しい、悔しい…。できれば、起こって欲しくないし、一生味わうことがなければどんなにかラッキーでしょう。でも、誰でも1回や2回、大なり小なり、経験する出来事だと思います。
大事なことは失恋の受け止め方、その経験をどうこれからの自分の恋愛や人生に生かせるかだと思います。でも、そんなこと、失恋の最中に思えるわけなどありません。
私は“悲劇のヒロイン”願望など持ち合わせてはいないつもりでしたが、でも、自分をよく知る友だちにはそういう風に映っていたのです。多分、最初は私に同情してくれていた彼女も、だんだん私のそんな態度にウンザリしてきたのではないかしら? と今なら考えられます。
“悲劇のヒロイン”になっていると、自分(と、その亡霊)しか見えません。周囲にいる他人はすべて無視です。誰かと一緒にいるとき、カタチだけはとりつくろいますが、心はいつも相手を向いていないし、相手の話も聞いていない。話題もいつも同じ…。好きだったあの人のこと、可哀そうな自分のこと…。これでは、一緒にいる人だって面白くないだろうし、結局は、“悲劇”であろうとヒロインはいつも自分なのですから。
できれば味わって欲しくないけれど、これからそんな場面を迎えてしまったら…できるだけ早く“悲劇のヒロイン”の座から降りられるよう、辛くても努力しましょう。
このヒロインは、第一に可愛くも美しくもありません。毎日がグチやらわがままやら、勝手な気持ちのまま過ごすようになります。何も食べても美味しくないし、どこに出かけても、何をしても楽しくありません。優しく声をかけてくれた人に感謝の気持ちも持てません。だからお礼も言いません。
それどころか、「なんで、あなたは悲劇を味わっていないの?」などと、人に対して八つ当たり的な衝動にかられるかもしれません。気がついたら、誰も声をかけてくれなくなる、誘ってもくれない、そして、それでいいの、それがいいの…、「私はとても可哀そうな女なの」と心の中でつぶやき、“止まった負の時間”を過ごすだけです。そして、そんな自分には無自覚なままで…。
“悲劇のヒロイン”は切ない存在です。…自分だけでなく、周りの人たちにもです。
もし、それに気がついたら、早く“本もののヒロイン”への、再生・復活を目指しましょう。
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